昨日の預かり保育は泥だんご作りと泥あそびをしました。前回は午後から雨が降ってきたため延期となり、やっとこの日を迎えることが出来ました。
担任の二人の先生も泥用のクツ、服も変えて気合が入っていました。
2歳児教室の担任の二人の先生も手伝ってくれました。
砂場に水を入れて池を作っている子ども、山に水を入れて先生と一緒に泥を丸める子ども、土管の上の土山のサラサラな土を泥だんごにふりかけては、丁寧にこすり、そのくり返しを先生と一緒に根気良く続けている子ども、どの子も一生懸命でした。
作っていくうちに次第に泥だんごの色も感触も変わっていくことを体験します。
途中でヒビが入ってしまったり、落として壊れてしまったり、せっかく出来上がった泥だんごを迎えに来た弟にグシャンとつぶされてしまい、がっかりしている女の子の姿は、見ていた私にもくやしさが伝わってきました。
子どもの遊びは単なる泥で遊ぶことだけでなく、壊れてしまったことに対してどう自分で対処していくか、気持ちをどのように切り換えていくかを学ぶ機会が与えられているのです。そして、「できた!」「やった!」という体験から、やれば出来るという自信になり、このような自分で良いんだという自尊感情も育っていきます。
子どもたちの遊びは、成長するための土台となっていきます。 (中野)
‘園長日誌’ カテゴリーのアーカイブ
園長日誌 2013.6.5 No.9
2013年6月5日 水曜日園長日誌 2013.5.31 No.8
2013年5月31日 金曜日 昨日は、雨のため遠足を延期しましたが、今日は温度が30度になるそうで体も疲れやすくなっています。子どもだけでなくお母さん自身も、十分休息をとって欲しいと思います。
幼稚園ではいたる所で子どもたちのけんかが起こっています。今まで多くの時間を家族の中だけで育ってきた子どもたちにとっては、両親や祖父母、まわりの人たちから「いいよ」と譲ってもらえたこともたくさんあったでしょうが、幼稚園という初めての集団の中に入り、相手は相手の想いや考えがあり、決して自分の思い通りにはいかないことを学んでいきます。
学ぶということへたどり着くまでにけんかという行動を通らなくては、理解できないのです。
けんかと言っても、大人が考えるけんかとはまったく異質なものと思います。
子どもは相手をにくんだり、うらんだりしません。すぐに仲良くなり、また何事もなかったかのように一緒にくっついて遊び始めるのです。大人だったら「二度と口をきくものか!」ということになるかもしれませんが…
「叩いた!」「噛んだ!」「押した!」等その事だけで、その子は乱暴な子と決めつけてしまうことは、良くないと思います。ダメな子どもなんていないのです。
私たちはけんかの理由をしっかり聞き、必要に応じて厳しく叱ることも必要と考えています。
子どものけんかを恐れピリピリした大人たちの間では、健康な育ちはできないような気がします。
けんかを通して、子どもたちはどんどん成長していきますよ。 (中野)
園長日誌 2013.5.24 No.7
2013年5月24日 金曜日 二、三日前から、朝、門の前で子どもたちを出迎えていると、「おった?」「ねぇ、おったぁ~?」と黄組の女の子が声をかけ「おったない」「おったないよ!」と男の子が続きます。
よく見ると、大きな石を動かしてダンゴ虫を探しているのです。名古屋弁だったら「おらんよ」と答えるところを「おったない」の言葉に、子どもってかわいいなあと思いました。
しばらくすると、お姉ちゃんを送りについてきた弟も一緒に「ダンゴ虫、ダンゴ虫」と言ってのぞき込み、仲間入りです。
今まで甘えん坊だった黄組の男の子も、桃組の二人の女の子の手をしっかり握って堂々と登園して来てくれます。この男の子の出産は、早産になりそうでしたので、お母さんは早目に入院し、その間おばあちゃんがお世話をしていました。
「もっと甘えたり、グズグズ言ってくれたらいいのに、ずっとがまんしているので、その姿を見るとかわいそうになってきてしまって…」と、おばあちゃんが涙を流しながら話して下さり、聞いている私も胸がつまってきたのを覚えています。3月31日に無事に産まれたこの男の子です。
我が子がかわいくてかわいくて、心配で心配で…そのようなお母さんも「えっ? いつからそんなこと出来るようになったの?」と我が子の成長に驚くことがきっとあります。
何であの時はあんなことで心配したのだろう?と、笑い話に変わっていきますよ。 (中野)
園長日誌 2013.5.17 No.6
2013年5月17日 金曜日 昨日は風が良く吹いて、園庭の土も砂漠のように乾ききっていました。
職員室の南側入口には、カーテンレールの所に紙コップのタコが輪ゴムのヒモにつながってユラユラしています。
昨年預かり保育を担当した先生に作り方を教えてもらってつるしてあるのですが、今日もそれを引っぱってケラケラと笑っている年中組の男の子がいました。ゴムをどんどん引っぱって手を離すとタコは思わぬ所に飛んでいくため、それがおかしくて仕方がないというふうに、大きな声で本当に楽しそうに笑っているのです。
一人の男の子がやって来て、どこまでもゴムを引っぱるので、ゴムはパチンと切れてしまいましたが、先ほどの男の子たちが声をそろえて「タコちゃん切れちゃった~」と言いながらも、それはそれで楽しそう。
早速直していると他の子が「○○くん、ダメなんだよ~」と言っているので、振り向くと私の机に向ってきちんと座り、私のメガネをかけパソコンの方を見ながら笑っています。「あれ?いつの間に?」それを見ていた子どもも、大笑いです。
友だちとふざけたり、あんなに思いっきり遊んだり、いっぱい笑って…。
見ていて、あの子どもたちのように、あんなに笑ってしまったことって、最近、私にあったかな? と、思いました。
この男の子二人は年少組の当初は良く泣いて、朝はなかなかお母さんから離れられなかったのに…。
あの頃がなつかしいです。 (中野)
園長日誌 2013.5.10 No.5
2013年5月10日 金曜日 連休明けの7日は、子どもたちが元気に登園する姿を見て私はうれしくなりました。
「早く幼稚園に行きたいと言っていたんです。」「もう僕、幼稚園辞めるからなんて言うんですよ。」 久しぶりにお会いしたお母さん方と笑ってしまいました。
私は連休中に、久しぶりに近所のケーキ屋さんへ出かけました。そのお店は、障がいのある娘さんが自立できるようにと、お母さんが覚えさせておいしいケーキを作っているという話が伝わり、遠くからも買いに来るお客さんもいましたが、何年か前に『しばらくお休みします』という紙がお店のドアに貼られ、私もずっとそのまま忘れてしまっていました。
母と散歩をしていてお店が開いていることを発見し、早速入りました。
今まで見たことのない人がいたので違う人にお店をまかせてしまったのかなあと、ちょっと残念に思いましたが、その人と話していて、この方がその娘さんなのだと気が付きました。
ゆっくりですが、言葉をかみしめながら話してくれました。
あの時のお母さんは、三年前にがんで亡くなられたこと、二年間お店を閉めていたこと、今は、週三日、娘さん一人でやっていることなど。
「娘さんはしっかりお店をやっていますよ!」と天国のお母さんに教えてあげたくなりました。
「がんばってネ!」と言うと、笑顔でうなずいてくれた娘さんでした。
私はまた彼女に会おう!と思いました。 (中野)
園長日誌 2013.5.2 No.4
2013年5月2日 木曜日 年少組の新入園の8名の子どもたちも、次第に園生活に慣れて来て、園庭でもままごとをしたり、砂場で先生と山を作ったり、良く遊べるようになってきました。
昨日は、新しい子どもたちにとっては初めての給食でしたが、満3才児組から進級した15名の子どもたちよりも良く食べて、おかわりをした子も多くいたそうです。頼もしいですね。
お天気の良い日は朝から園庭で遊びますので、お腹がペコペコになるのでしょう。子どもは元気が一番です。
時々「夜、子どもがなかなか寝なくて…」と困ってみえるお母さんのお話を聞きますが、成長ホルモンは寝ついてから70分後に分泌されるそうです。
睡眠不足ですと、集中力の低下や情緒不安定にもなるそうですので、寝る環境を作ってあげることが大切ですね。
あるお母さんは、午後7時半にはカーテンをして部屋を暗くし、静かにして、子どもが早く寝るようにしていると話していました。私たち大人も、しっかり睡眠を取りたいものですね。
子どもは大人のように口で自分の思いを伝えられないため、つい相手を叩いたり、押したり、ひっかいたり、噛んだりすることがありますが、このような機会を通して学んでいくのです。
先生に注意されたり、泣いたり、大きな声で笑ったり…。
子どもは子どもの中でどんどん成長していきます。 (中野)
園長日誌 2013.4.19 No.2
2013年4月19日 金曜日 毎朝、門の前で子どもたちを迎えていると、あいさつもそこそこにお母さんを振り向きもせず園庭を走って行き、先生にハグしてもらっている子どもたちの後ろ姿は、見ている私も幸せな気分になってきます。
年少組のお母さん方の中には、喜んで園に行く年中組・年長組の姿を見て、「いいなあ~。私の子もいつかそのように笑顔で門から一人で行ってくれるのかな?」と思われるかもしれませんが、一人ひとりそれぞれ違った成長のドラマがあるのです。
昨日も年長組の男の子で自分の思い通りにいかなかったことでイライラして大きな声で泣いていたり、今日も「ママに会いたい」と言って涙ぐんでいた年長組の女の子もいました。でも、こういうことがあって良いのです。子どもの成長には必要なことなのです。
泣いたり、イライラしたり、グズグズ言いながら、自分の気持ちを調節していく練習をしているのです。
幼児期は個人差がとても大きな時期ですので、他の子と比べないで我が子の良い所を探していきましょう。
まだ小さいのにお母さんから離れてがんばっている子どもたちです。
お迎えにいらした時は、いっぱい抱きしめてあげて下さいね。
気になることは、何でも担任に遠慮をしないで話して下さい。
神さまから、授かった大切な子どもです。ゆっくり、ゆっくりいきましょう。 (中野)
園長日誌 2013.4.12 No.1
2013年4月12日 金曜日 今年度もこの園長日誌が始まりました。園での子どもたちの様子や私の想い等いろいろお伝えしますので、どうぞお読みいただいて、感想をお聞かせいただけると、うれしいです。
昨日から全園児がそろって、いよいよ柳城幼稚園がスタートしました。前月まで年中組だった子どもたちも青帽子をかぶって園庭で元気に遊んでいる姿は、しっかり年長組さんになっていました。降園時に年長組の男の子が私に「ねぇ~、どうしてお兄さん先生いるの?明日も来てくれる?」と聞くので「なでしこの先生になったのよ。だから、ずーっと、幼稚園にいてくれるよ。」というとニコッとして「僕、月曜日なでしこなんだ~。」「良かったね!I先生とずーっと遊べるね」(私) 「うん!」と言って階段をかけ登って行き、途中で止まって「園長先生!明日も遊ぼうね~」と言ってくれました。
本当に、うれしいなあと思いました。I先生が大好きで、以前も一緒に遊んでもらった楽しかった体験がいっぱい心の中につまっているのでしょう。
園ではゆったりした時間の中で、泥だんごを作ったり、砂でごちそうを作ったりしながら、子どもたちは“どうしたらくずれないかな?”“こんなのどうかな?”“やっぱりそうだった…”と、この試行錯誤をくり返し、思考が育っていきます。教えられることだけでは育たない、自ら考え行動することを大切にしたいと思っています。 (中野)
園長日誌 2013.2.22 No.35
2013年2月22日 金曜日 14日(木)、年長組は、おひなさまを見に徳川美術館に出かけました。
館内では係の方が、子どもたちにも理解しやすいように、説明して下さいました。茶つぼの話、抹茶が出来る様子など実際の物を見ながらの説明ですので、子どもたちも真剣に聞いていました。お姫様が乗るカゴを見て「どうして、こんなに小さいの?」と質問していた男の子もいて、皆、マナーを守り、静かに行動していました。
行きは市バスでしたが、暖かくなってきましたので、帰りは歩き、途中、和菓子を買い、子どもたちが抹茶に興味を持ったようでしたので、早速、昼食後は、お茶の時間を取りました。
保育とは、今、目の前にいる子どもたちが何を感じ、何を欲してしているのか、関心を持っているのかによって、事前に考えた計画を変えることも大切なことと思っています。計画通りに一日の保育を終え、満足する保育者ではなく、一人ひとりを良く見て、寄り添い、一緒に遊んだり共に行動することで、楽しさや喜びを共有し、信頼関係を築き、保育者自身も成長していきたいと考えています。
今週はたてわり保育をしています。いつもと違った友だち関係で楽しいことも増えたことでしょう。 (中野)
園長日誌 2013.2.15 No.34
2013年2月15日 金曜日 先日、仕事を終え、おそうじを担当して下さっているおばさんと笑ってしまったことがありました。
おばさんは、預かり保育が終ってから、子どものトイレをそうじて下さるのですが、その日はとても大きな便が便器の穴のところで止ってしまって、何度水を流しても流れず、とうとうバケツに水を入れ、勢い良く流すのですが、びくともせず、バケツ7杯目でやっと流れてホッとしたとのことでした。「あんなに小さな子どものうんちとは思えませんでした。うらやましいですね~。あんな立派なのが出て…」
満3児組の担任も「昼食後は、半数の子どもたちがうんちをするんですよ。」と笑顔で話していたことを思い出しました。
園庭で、どろだらけになって良く遊んでいる子どもたちです。体を十分に動かすことで、丈夫な体と、感じる心が育っていくのですね。
朝は良い空気をいっぱい吸い込んで走り回って欲しいと思っています。そのためにも、朝は9時までに登園しましょう。時間を守ることも、子どもにとって大切な躾です。
一番寒い時期ですが、我が子のために、早目に家を出ましょう。お母さんの心がけ一つで子どもは変っていきますよ。 (中野)